太陽礼拝のヨガとは?ヨガのポーズを実行するための効果と方法
サンスクリット語で‘スーリヤ ナマスカーラ’として知られる‘太陽礼拝’は、最も有名なヨガの形態の1つであり、世界中のヨガを行うすべての方が実践されています。それは、太陽(スーリヤ)に対しての礼拝または感謝(ナマスカーラナ)を表しています。
太陽礼拝って何?
太陽礼拝は、心身のエネルギー増加を促進するために早朝によく行われます。これは、つながりのある、流れるような方法で行われる12のヨガポーズのシークエンスです。前屈と後屈に合わせ、各ポーズごとに、吸う息、吐く息を使って、全身で動いていきます。
メリットとしては、体に柔軟性をつくることからダイエット効果をもつことまでにおよびますが、これについては後程説明します。
起源
太陽礼拝は、古代ヒンドゥー教の経典には何の言及されておらず、その起源は不確かです。 朝、早起きして太陽を敬う習慣があったため、初期に発展したのではないかと言われています。
20世紀初頭、一連のポーズが修正され、より肉体的、精神的、スピリチュアル的な健康のために、実践するようすべての人に促したのがインドの王だったというのが、最も顕著な理論です。それは後に、1920年代から1930年代にかけて西欧諸国に広まり、多くのバージョンを経てきました。私たちが実践している現在のバージョンは、当初維持されていたものとは異なる場合があります。
太陽礼拝を実践することの効果
太陽礼拝は12のポーズを含み、ポーズのそれぞれに特定の重要なポイントがあります。特定の体の部分に強度を与えることから、血液循環、集中力の改善や、体重減少までに及び、併用して行われるステップは、体の全体的な成長や形成を与えます。
太陽礼拝の効果の一部を以下に記載しました:
1. 柔軟性の向上
太陽礼拝は、筋肉のストレッチにあわせて多くの前屈と後屈ポーズで構成されています。定期的に行われると、筋肉は強くなり、体が引き締まり、柔らかくなるにつれて徐々に柔軟性を得ることができます。
2. 姿勢改善
ヨガの各ポーズは、特定の方法で行う必要があります。背骨をまっすぐにしたり、膝を曲げないようにしたり、肘をロックしないようにしたり等。ずっと前かがみであったり、座り方によって悪影響を受けた姿勢を改善するメリットがあります。 また、姿勢の悪さゆえに圧迫された内臓を解放し、正しく機能させるのに役立ちます。
3. 集中と意識の向上
太陽礼拝を行う主な要素の1つは、呼吸法です。 各ポーズは、1回の吸う息または1回の吐く息のいずれかで行われます。 これは、臓器や筋肉のすべての部分へ酸素の流れを改善するのに役立ちます。 また、ポーズごとで一点に集中し、体の安定を目指します。 それは集中力の向上を助け、人生をより良くしたいというモチベーションも高めます。
4. 減量のサポート
いくつかのポーズはあなたの腹筋や臓器支持器官を刺激します。 また、太陽礼拝は体内の熱を増加させ、代謝活動の改善にも役立ちます。 これらの組み合わせのすべては、減量を目指すに向けて、安全で健康的な旅へと導きながらダイエット効果をえることができます。
5. より健やかな心へ
集中力を向上させる深い呼吸の組み合わせで、精神的健康にもプラスの影響を受けます。 太陽礼拝は不安を軽減するのに役立ち、睡眠パターンも良くなります。 太陽に感謝しているとき、高められたエネルギーやモチベーションでスピリチュアルな状態にもなれるでしょう。
6. より良い身体的健康
太陽礼拝には12のポーズがあり、筋肉の強さだけでなく、血液循環と酸素の流れをキープするための全体的なアプローチを与えます。 腹筋を刺激することにより、消化が改善され、便秘の問題からも解放されます。 肩こり、固まったふくらはぎ、太もも、足首を解消します。 女性は肌や体質の改善に気付くでしょう。
太陽礼拝12ポーズの実践法
ペースを自由に調整できます。吸う息吐く息で、あるポーズから別のポーズに移行したり、深く呼吸して1つのポーズに長く留まったりすることができます。 前者では熱とエネルギーを生成し、後者では瞑想状態になります。
1. プラーナマアーサナまたは祈りのポーズ
足を閉じてしっかりと地面に置き、背骨をまっすぐにして立つことから始めます。 ここでは、手を体の横でキープするか(タダアーサナまたは山のポーズ)、胸の前で合掌することができます。
もっと詳しく知る:太陽礼拝上達のコツ | 山のポーズ タダーサナ
2. ハスタウッターンアーサナまたは手を上にあげたポーズ
息を吸いながら、上腕二頭筋を耳に近づけて腕を頭の上に伸ばします。 指先天井の方に伸ばすと、胸が開いてきて、骨盤が少し前の方に押し出されます。
もっと詳しく知る:太陽礼拝上達のコツ | アーチバック ウールドヴァハスタアーサナ
3. ハスタパーダアーサナまたは立位の前屈ポーズ
次に、吐いて、腰から前の方に倒れて、背骨をまっすぐにし、首と肩をリラックスさせます。 息を吐ききったら、手を地面に下ろしましょう。 ここで覚えておくべきいくつかのポイントがあります:
- 床に触れることができない場合は、膝を少し曲げることができます。 その後、ゆっくりと膝をまっすぐにしようとしましょう。
- 上記ができない場合は、指先を足の上に置いてキープします。
- 両手を足の両側に置くか、指先で地面に届こうとしましょう。
もっと詳しく知る:太陽礼拝上達のコツ | 正しい前屈と後屈
4.アシュワサンチュラーナまたはランジのポーズ
吸いながら 膝を曲げて、できるだけ右足を後ろに下します。 左膝は足首と一直線、すねは床と垂直に、太ももは地面と平行にします。 手のひらを地面に下ろし、両足が手のひらの間にあることを確認します。 頭を前に向けるか、少し上に傾けて体のバランスを取ります。
5. チャトランガ ダンダアーサナ
吐いて左足を後ろに投げて、右足にそろえます。これが有名なプランクポーズです。肩と手首をそろえて、全身をまっすぐでキープします。
6. アシュタンガ ナマスカーラまたは8点のポーズ
吸って、膝をやさしく地面に下ろします。吐いて、おしりを上げ、膝、あご、両手も地面に下ろしましょう。少しおしりを上げながら、基本的に、つま先、膝、胸、両手、顎を地面に下ろします。
7. ブジャンガアーサナまたはコブラのポーズ
上記ポーズから、吸ってやさしく前の方にスライドし、上半身を引き上げます。ここで、骨盤まわりと脚だけが、地面についてる体の部分となります。肘を曲げるか、腕をまっすぐでキープしましょう。いずれにしても、肩を耳から離したままで、頭が前を向くか、少し上に傾けます。
8. アドムカシュヴァアーサナまたは下向き犬のポーズ
吐きながら、おしりをやさしく持ち上げて、逆転した‘V’の姿勢を作ります。腕と脚はまっすぐで、足は地面に下ろします。足全体をキープするのが難しい場合は、安定した状態を保つために、かかとをある程度地面から上げても大丈夫です。
9.アシュワサンチュラーナまたはランジのポーズ
ここで、おしりを下げて、吸いながらランジのポーズ、アシュワサンチュラーナに進みます。右足はできるだけ気持ちよいところまで後ろに押してキープしましょう。左膝は足首の上にそろえて90度になるようにしてゆきます。
10. ハスタパーダアーサナまたは立位の前屈ポーズ
吐きながら右足を前の方に戻して、足をまっすぐに伸ばし、ハスタパーダアーサナ、立位の前屈ポーズに移ります。背骨に負担をかけないよう、腰から曲がります。
11. ハスタウッターンアーサナまたは手を上にあげたポーズ
吸いながら、上半身を引き上げて腕を上に伸ばし、少し後屈しましょう。ハスタウッターンアーサナ、手を上げたポーズを行います。
12. プラーナマアーサナまたは祈りのポーズ
最後に、体を引き上げて、吐きながらまっすぐに立ち、最初のポーズに戻ります。足は地面にしっかりと下ろし、腕は体の横(タダアーサナまたは山のポーズ)、または胸の前で合掌します(プラナマアーサナまたは祈りのポーズ)。
完全な円を作っていることに気づきましたか?スタートしたのと同じポーズに戻ってきました。最後のポーズが終わったら、数分間静かに立ちながら体の感覚を感じ、リラックスした状態に戻って一日を始めましょう。
太陽礼拝を行う際、間違えないための重要なポイント
1. 呼吸に気づく
太陽礼拝を行うときは、吸う息と吐く息のパターンがとても重要です。 これがヨガの基本形です。 呼吸とポーズの動きは連動している必要があります。 きっと初めのうちはできないかもしれませんが、意識してゆくと、望ましい結果につながるでしょう。
2. プランクポーズの正しい位置
プランクポーズを行っているとき、おへそが地面から引き上げながら、背骨下部を支えていることを感じましょう。体をまっすぐにキープするために、背骨の上部と下部の筋肉で、背骨全体を支えましょう。 背骨が正しく支えられていないと、激しい痛みや怪我をする可能性があります。
少しでも肩がゆるまないように、手のひらをしっかりと地面に下ろし、強く押しましょう。頭も下に曲げたり、上に傾いたりせず、背骨と一直線でそろえます。
3. 下向き犬のポーズで逆 Vの形をキープする
このポーズが正しく行われ、背骨がニュートラルでキープされていることが重要です。 多くの場合、脚をまっすぐでキープするために、背骨はU字型になります。 完全に逆V字型にするために、膝を少し曲げるか、かかとを地面から上げて背骨をまっすぐにキープすることができます。
4. 下向き犬のポーズからランジのポーズへ移る
足を後ろに伸ばしすぎて膝に負担がかかる可能性が高くなります。 これに対する簡単な解決策は、最初に両方の膝を地面にやさしく下ろし、そこから心地よくランジのポーズを行いましょう。。
安全な太陽礼拝の練習のためのヒント
1. 体についたクセをとろう
2. みなさんも一緒に立って足の裏を感じてみましょう
3. コツ 足首をまっすぐでキープしよう!
4. 太陽礼拝上達のコツ 坐骨に注目!
太陽礼拝を行う際の注意事項
最近、腕、肩、背中に怪我をした方は、太陽礼拝を行わないようにしましょう。
- 同じく、最近腹部の手術を受けた場合で、プランクポーズを行う際は特に、医師に相談することをおススメします。
- 妊娠中の女性は、腹筋に圧力をかけるポーズをとるとき、特に注意する必要があります。 太陽礼拝を行う前に、医師にご相談ください。
- 生理中の女性は、生理が終わるのを待ってから練習を再開しましょう。
まとめ
太陽礼拝は、心と体を目覚めさせ、自分自身を元気づけるのにベストな形態の一つです。快適な自宅だと、静かな空間の中で練習できるメリットがあります。数々のメリットがあり、誰でも行うことができるヨガのなかでも、最もおススメな形態の1つです。
ペースを調整する自由があっても、この記事で前述したものと同じ意図した利点を得ることができます。
太陽礼拝の練習をスタートし、太陽のあたたかさを吸収することによって自分自身にエネルギーを感じましょう!
よくある質問
以下は、特に初心者からよく寄せられる質問です。
太陽礼拝は、日の出の時に1回、日没時に1回、少なくとも1日2回行われるべきです。ただし、したいとき、何度行っても大丈夫です。 1回から始めて、徐々に12回に数を増やすことができます。不快になるところまでやり過ぎないようにしましょう。
基本的な12ポーズの太陽礼拝とは別に、太陽礼拝Aと太陽礼拝Bの2つのタイプがあります。
太陽礼拝A – 11ポーズで構成されています
太陽礼拝B – 19ポーズで構成されています
名前が示すように、太陽礼拝は太陽に敬意を表すことを意味するので、行うベストな時間は日の出です。早朝に、高いエネルギーを受け取るメリットがあり、それが一日中キープされます。
朝に練習することは、心と体を目覚めさせ、高いエネルギーを与えます。夜に行うと、疲労を和らげ、良い睡眠がとれることで、リラクゼーション効果を得られるでしょう。
OMは、すべてのヨガの練習で唱えることができる普遍的なマントラです。 さらに、各ポーズで唱えることができる12のマントラがあります。 これらのマントラの本質は、生命に不可欠な太陽神または太陽を賞賛するものです。 12のマントラは次のとおりです:
Om Mitraaya Namaha
Om Ravaye Namaha
Om Suryaya Namaha
Om Bhaanave Namaha
Om Khagaya Namaha
Om Pooshne Namaha
Om Hiranya Garbhaya Namaha
Om Mareechaye Namaha
Om Aadityaaya Namaha
Om Savitre Namaha
Om Arkaaya Namaha
Om Bhaskaraya Namaha
各マントラは、各ポーズで、連続して同じ順番で唱えましょう。
年末近くに開催されるヨガイベントで、すべてのヨガ実践者が太陽礼拝を108回行うことはご存知でしょう。108という数字の関連性は 仏教に見受けられます。年末に仏教寺院で108回鐘を鳴らすと、108の世俗的な欲望を取り除くと言われています。よって、太陽礼拝を 108回行うと、年末に世俗的な欲求を手放すのに役立ち、新年を新たなエネルギーで始めることができます。
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太陽礼拝の練習は、体と心の両方に多くの点で有益です。 4時間の太陽礼拝ワークショップで効果的に移動する方法を学びます。